スルメ烏賊の好物は大根の味噌漬け

建築事務所での修行時代に良く行ったイタリアンレストランがある。場所は青山学院大学から少し並木橋へ下るところにある。今は全国展開しているお店だが当時はまだそこ一軒だけでした。オーナーシェフの本田さんもまだご健在で仕込みが終わったころの時間にお店の前で休んでおられて会釈をしてくれていたのを思い出します。残業のときの(建築事務所は残業のない日はほとんどない。)夕飯に時々行っていたのですがそこは一人では行くに行けないお店だった。一人で食べきれるメニューを置いていないのである。スパゲティでも男二人にひとつはちょっとキツイ。

いつも同僚と数人で行くのだが頭数の半数の料理を注文するのが鉄則。そこでの食事の他にもう1つの楽しみは新参のカップル客の観察である。お店が小さいので相談している様子がよく聞こえる。

「私はベーコン入りカルボナーラにしようかナ」
「それじゃオレはペスカトーレにしよう。サラダも注文しようか?。」

などという会話を隣で聞きながら笑いを堪える。ストレスを溜めている頭には適度な刺激となるのである。そしてその期待は十数分後に絶頂に達するのである。二人のテーブルに3品が並んだ時のカップルの顔を見たときにである。小さなショーのカタストロフィーと満腹感を得てスッキリとしてお店を出る。そしてまた終わりのなさそうな仕事に戻るのである。

そうそうイカの話である。そのお店の「イカとツナのサラダ」が美味しい。非常にカンタンなものである。サラダは元来カンタンではあるが。イカのボイルとツナのオイル漬けがレタスの上に載っかっているだけである。少し酸味の利いたドレッシングに程よくマッチしていてとても良い。休みの日に何度か自分でも作って見た事がある。そして自分流ができた。イカはできるだけ新鮮なものを手に入れ、お腹にある肝(塩辛に使う茶色の部分)を残すのがポイント。この大根の味噌漬けのようなものは新鮮のうちは沢庵のように輪切りができるのである。それの粘膜を破らないようにしてイカを丸ごと使います。茹で上がりを輪切りにしてレタスの上に載せます。ツナのオイル漬けはツナ缶を使用するか、さもなければなくても良い。ドレッシングは手製を薦めますが面倒であれば既製のイタリアンドレッシングでも良い。種類としてはスルメ烏賊がこの大根の味噌漬けのようなものを腹にいっぱい溜めているのでこの料理に一番適していると思う。

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