8月・木工事/建具工事 - 花山手の家

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2005/8/1 木工事
1.前日の2日間は大雨だったが断熱材の濡れはほとんどなかった。
2.AW-R01の中央部に設計図にはない柱が存在している。窓の真中に柱が出ることになるが吹抜けの最上部の窓なのでデザイン的に大きくは問題がないと判断したこと、構造的にはより頑丈であるということで残すことにした。

2005/8/2 木工事
1.洗面室及び便所に跨る窓、AW-107の中央部の柱が所定の位置と違うので対策を講じた。
2.対策:現状の柱に添え柱を設けてM12ボルトで4点締めした後、窓にあたる最初の柱部分をカット。添え柱の土台との接合はほぞ差込みとし、上部はかど金物等で接合すること。
3.コーナーサッシAW-206付近の屋根形状の納まりが違っているのでこの部分の作業を休止させた。対策として①サッシ寸法を再度、厳密に確認するか或いはサッシ搬入後に現物確認を行いながら取り付け枠(米松材)の寸法を決めること。②野地板は現状のものにもう一枚重ねて張り、上記①で決定された位置まで寸法調整すること。
4.Z金物は設計図で指定している他に同等の認可を得ている商品の使用を認めた。
5.接合部で1箇所につき2種類のZ表示金物使用の場合はビスとボルトの混合使用は応力が加算できないのでそのような使用をしないように注意した。


2005/8/2 木工事(追記)
2階Y3通りの筋違いの掛け方が変更前の形で既に施工されているので再度N値計算を行った。結果としてX0、Y3通りの柱へ掛かる応力は現在の20kNから25KNと増大することになった。当箇所のHD用のアンカーボルトはケミカルアンカーであるのでそれを考慮して①筋違いを現設計の形に戻すか②HD金物を25KN用に変更するかの対策を現場の判断に委ねた。その結果②を選択したのでそれを了承した。(施工されたケミカルアンカーは100KNまで対応できるとの報告を受けた)

2005/8/6 既製品建具打合せ
1.ドアー及び引き戸関係はH=2000とする。
2.クローゼットドアーはH=2318、建具廻りの巾木=60を53、廻り縁H=150とする。その結果天井高さ2500及び2350をCH=2521及び2371に変更する。
3.AW-202,203、204のクレセント又はハンドルの高さを子供の背の高さに合わせるかどうかを確認の上、決定する。
4.コーナーサッシはガラスの嵌め込みに必要な寸法を確認の上、外壁からの出寸法を決定すること。
5.AW-R01は中央柱(2005/8/1)のためFix部分の形状を変更した。(現状の形ではガラスの入替えができない)

2005/8/8 屋根工事:ガルバリウムGL鋼鈑縦はぜの形状を打合せ
質問:ハゼ立上り寸法(現物は約2.5cm)はもう少し高いほうが良いのではないか。
答え:この寸法がハゼ葺きの標準であり、屋根勾配5/100でも対応できる。(施工者)

・施工者側からの提案1:消音ボード=PB12.5mmと屋根葺き材の間にビニルシートを敷いてPBを水から保護をする。

・施工者側からの提案2:1階床下のグラスウールが設計では10kg/m3であるが作業性の問題もあるのでこれを30kg/m3に変更したい。

上記二つの提案に就いて了承する。


2005/8/9 木工事

1.2階Y1通りの筋違いが未施工である。
2.2階X0,Y2通りのホールダウン金物をつけるべき柱を間違えているので修正すること。

(建築工事現場に限りませんが“人間だから失敗をする”という前提で仕事をしています。工事に関わる全ての人が善意で仕事に取り組んでいても罠は潜んでいます。これを未然に防ぐために大工さんの目、工事監督さんの目、設計監理者の目、それぞれの視点で工事のチェックを行うことが非常に大事になってきます。実際の現場では一つの作業が完工して次の作業に入るとは限りません。複数の作業を複数の人が同時に行ったり、材料が到着する間に次の作業に移ったり目まぐるしく変化したりする中で一旦ボードが張られるともう壁の内部を確認することができなくなります。)

3.食堂及び台所の照明計画の変更
・現設計の吹抜き部周辺のポリカーボネートによる照明計画は中止
・照明は施主の要望する照明器具個数を確保する。
・階段室最上部のガラリ2箇所の一つは1階及び2階の循環用、もう片方はウォークインクローゼット内の通気用とすること。尚階段室側の杉15mm@40ガラリは中止とする。

(設計者の提案する案とクライアントの意向とが一致しない場合は多々ある。我々設計者とクライアントとは建築に関しての見方或いは見てきた歴史が違うこともその一因にあろう。必要なことは設計の意図を充分に伝えた上で最終的に取捨の判断をクライアントにしていただくことだと思いますがそれがまた難しい。建築に対する見方、歴史が違うと視点又は価値観が違ってうまく伝わらなかったりもします。少し例が違うかもしれませんが誰もが納得する美人の必要条件を揃えてもその美人を誰もが好きになってくれるとは限らないように“良い”といわれるものに絶対条件はないような気がします。それぞれの人の個性が投影されるからです。特に住宅の設計は千差万別の価値観が存在する中で着地点を見出さなくてはなりません。しかし住宅をどのような個性にするかにあたって考えなければならないのは“機能的で安全に住まう”ことの重要性に加えて文明的共通言語である合理性、秩序、品位等の文化的調味料を少しだけ足してあげることをお薦めします。なぜならばこの味がここで暮す、或いは育つ人の感受性的原風景に影響するのではないかと考えているからです。)


2005/8/11 建具工事
1.居間:ガラスルーバーサッシを1箇所追加(W*H=870*970)
2. 階段室ハイサイドライト:AW-R01の形状変更→Fix+Fix+ガラスルーバ-をFix+ガラスルーバ-+ガラスルーバ-とする。

(クライアントのYさんは東面の壁に窓をと以前から要望されていましたが既にハイサイドライトからの東の陽光を確保していたということと将来に渡っての東面の状況から判断すると通常の窓の取付く位置にはいくつかのマイナス要因もあり、整然とした窓には成り難いという説明をしてきました。しかし現場に立ってYさんが自ら判断されたことなのでその方向に変更することにしました。)

2005/8/18 木工事
1.ユニットバスの窓AW-106の取付け高さが違うので修正すること。上端でFL+1900。
2.1階耐力壁のZ金物取付けを全て確認した。(2階は未成)
3.カーテンボックスの形状を各箇所において具体的に確認する必要があるので監督さんにその旨を報告。

2005/8/19 木工事
1.各サッシのカーテンボックスの納まり検討(結果は別図参照:8/20付指示書)
2.玄関ドアの位置決定及びタイル割付け基準打合せ
3.玄関ドアはDH=2500程度となるが反りの恐れがある場合には幕板付でDH=2100でも可とする。材料は枠、扉とも檜とする。
4.ベランダのファイバーグレーチング手摺納まり検討(結果は別図参照:8/20付け指示書)
5.内部階段と壁の見切り納まり検討(結果は別図参照:8/20付け指示書)

2005/8/20 木工事
1.食堂及び台所の照明計画検討:照明器具は流し台上部とダイニングテーブル上部とを併せて白熱色タイプ蛍光灯ダウンライト18Wを4灯とする。
2.上記4灯の取付けエリアをW200,L3050,D50mm(折り上げ)として、その範囲を現場にて隅だしを行い図示した。
3.階段室最上部のガラリ2箇所の一つは1階及び2階の循環用、もう片方はウォークインクローゼット内の通気用とすること。尚階段室側の杉15mm@40ガラリは中止とする。


2005/8/20 クライアントのYさん現場視察
1.エアコンの確認
居間:東芝  HAS-U402F1-1  壁埋込タイプ
室内ユニット/高さ322・幅750・奥行200mm  質量11kg
前面グリル/高さ345・幅770・厚さ12(+8)mm
据付枠/高さ355・幅785・奥行150mm
色:白木orシルキーホワイト  

ピアノ室:東芝  HAS-MS322FR1  高さ250・幅790・奥行210mm 壁掛けタイプ
2. 階段下収納部の形状を決定するためにテレビ、チューナー、ビデオ、オーディオ機器の寸法の提示を依頼。
3. LANケーブルだけではなくて将来対応できるように配管を敷き設したい要望あり。
4.食堂及び台所の照明は上記1にて了承。ディマーはなしとする。
5.洗面室の照明はダウンライト2灯及び洗面台上部の間接照明で了承。(少し多い気がするが全部を一度には使わないとの事)

2005/8/22 木工事、建具工事
1. 雨戸引込み部の納まり打合せ
2. 食堂の空調機置場及びインターホン廻りのスケッチ作成→現場指示
3. AW-R01周辺の外壁及び軒天の納まり→現場指示
4. 畳み敷き(居間):畳みは琉球畳みとする。厚みは55mm程度とする。
5. 階段室一部及び玄関の壁:見積書記載の左官壁(シルタッチコルク程度)とする。
6. コーナーサッシAW-206,207及び周辺壁の納まり打合せ→スケッチ作成
7. 外壁下地ボード打ち継ぎ位置打合せ→十字部横軸上端と打ち継ぎ目地を一致させる。
8. 1階Y2,X4-5通り耐力壁の構造用合板と柱との接合が不備のため、この部分の内部壁PB12.5mmを構造用合板12mm張りとすること。
2005/8/22 宮崎県住宅建築センター検査(以下の一点に就き、指摘あり)
1. 主寝室とバルコニーの床の段差:センター基準は立ち上り高さ(床からサッシ下端)を120mmとしている。(現状は床そのもの段差が120mmで防水立上りも120mmを予定。)→再度協議の必要あり→協議結果OK

2005/8/25
*.現場監督及び大工さんと下記打合せを行う
1.勝手口納まり打合せ→WD-104納まりスケッチ提示
2.外装板の張り付け基準及び十字部の水切り納まり
3.子供室3のWW-201、CD-202廻りの納まり
4.玄関庇上部のガルバリウム角波板張り部分を中止し、周辺外壁材で仕上げるように変更。
5.空調機を特定して室内配管を施せるようにすること。

*.TV及び機器類収納レイアウト図提示
*.居間、台所、玄関、ピアノ室の各照明器具の墨だしを現場で行い、器具の穴あけ箇所を特定した。
*.各収納部の棚板の割り付けスケッチを作成してクライアントに提出、ご検討願う。

(一般木造住宅の現場では予算の関係もあって請負会社で施工図を工事に先立って描き、監理者の承認を得て現場に取り掛かるという経緯を踏まないことが多く、またそのような仕事の仕方が住宅産業内で一般化している。設計監理者としては憂えるべきことではありますが気を取り直して現実にその穴埋めを自ら行うようにしています。設計の意図すること、又は確かな品質を得るための方法をその都度、現場で監督さん及び職人さんに伝える必要があります。或いは協議する必要があります。)
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